冬のNYでバレエ「くるみ割り人形」を観よう!
こんにちは、音楽大好きプレ華です!
冬のNYは楽しいことがたくさん!
中でもこれを観なきゃクリスマス気分にならない!とニューヨーカーが言うのは、NYシティバレエの「くるみ割り人形」。毎年、11月後半から年末まで行われる冬の定番です。
子どもが観ても大人が観ても、とても幸せな気持ちになれる、クリスマスにぴったりな夢のあるバレエです。
音楽や衣装がくるくる変わって、宝箱みたいにぎゅっと凝縮された舞台なので、バレエを初めて観る方にもぴったり。本場のNYで「くるみ割り人形」を観よう!
1、チケットはインターネット予約がおすすめ!
このホリデーシーズンの風物詩「くるみ割り人形(Nutcracker)」は人気の演目なので、チケットは早めにインターネットでゲットしましょう!10月くらいから販売が開始されます。曜日や時間、座席によって値段が異なります。
チケットはニューヨークシティバレエの公式HPから予約できます。
チケットの取り方
- TOP画面からカレンダー(CALENCAR)を選択します。
- 行きたい日付と公演時間を選んで、BUY TICKETSを押します。
- くるみ割り人形が行われるシアターは、アリーナのオーケストラ席、1、2、3、4階席と、5層になっています。座席によって値段は異なり、4階席で一番安い80ドルから、オーケストラ席の265ドルの席まで数段階に分かれています。
- 座席を選びます。現在の空き状態がわかるようになっており、白丸は空席、黒丸は売約済です。白丸にカーソルを合わせると、価格が表記されます。右上のSELECTボタンで選択できます。
- 選択すると、購入金額が表示されます。今回は135ドルの2階席を2人分購入。販売手数料16ドル、施設利用費8ドルが追加され、合計294ドルでした。
- 次に購入者情報を記載します。代表者1名の名前、名字、メールアドレス、パスワード、住所を登録します。
- 次に購入したチケットを郵送するか、シアターのBox Officeで受け取るかを選択します。
郵送はアメリカ国内対応のみなので、「Hold at Box Office」にチェックを入れます。
- 次に支払いのクレジットカード情報を入力します。
- 予約が完了すると、確認メールが届きます。チケットを受け取る予約番号が書いてあります。これで購入完了です!
2、チャイコフスキーの楽曲を事前に聴くとより楽しい!
くるみ割り人形は、チャイコフスキー作曲のバレエ作品で、白鳥の湖、眠りの森の美女とあわせて3大バレエ組曲のひとつです。
ドイツのE.ホフマンの童話「くるみ割り人形とねずみの王様」が原作で、チャイコフスキーにより2幕のバレエ作品として作成されました。
おおまかなあらすじをご紹介します。
1幕
ある王国に王子が誕生しますが、その場にいた人間がねずみの女王を踏み殺してしまったので、王子が呪われくるみ割り人形にされてしまいます(NYシティバレエではこの部分はカットされています)。
クリスマス・イブの夜、ドイツのシュッターバウム家ではクリスマスパーティが開かれています。少女マリー(原作の名はクララ)は叔父からくるみ割り人形をプレゼントされましたが、弟と取り合いになり人形が壊れてしまいます。
客も帰ったその夜、マリーは人形のベッドにくるみ割り人形を寝かせて介抱します。マリーがうたた寝をして時計が12時になった時、マリーは人形の大きさに。マリーの元へねずみの大群が押し寄せてきます。そこでくるみ割り人形が立ち上がり、おもちゃの兵隊を指揮してねずみ達と交戦。最後はねずみの王様とくるみ割り人形との一騎打ちになり、くるみ割り人形が劣勢になりますが、マリーが手助けをしてくるみ割り人形が勝利します。くるみ割り人形は王子の姿に戻り、お礼にマリーを雪とお菓子の国に招待します。
2幕
お菓子の国に到着した王子とマリーは、金平糖の精に出迎えられ、お菓子がたくさん用意された特等席へ案内されます。
アラビアや中国など、様々な国のお菓子の精たちによる歓迎の踊りの宴を楽しみます。
3、早めに劇場に行こう!
会場はリンカーンセンターにあるDavid H.Koch Theaterです。
早めに会場に行くと楽しいことがあります。30分前には着くように、余裕を持って出かけましょう。
まずはチケットボックスでチケットを受け取ります。入って正面がチケットボックスです。予約番号を携帯の画面で提示するとチケットが貰えます。
エントランスでは、アメリカを代表する現代美術家のジャスパー・ジョーンズやリー・ボンテクーなどの作品を観ることができます。
また、子どもたちに向けた仕掛けも。スクリーンに映し出された傘やバレリーナを手でタッチすると映像が動くデジタルアートが設置されていました。
そして何といっても人気を集めていたのが、バレリーナと記念写真を撮るコーナー。これは嬉しいですね。
バレエを習っているのでしょう、可愛いバレエのコスチュームをちゃんと着てきている女の子たちも沢山!一生の思い出になりますね。
会場の中はこのようになっています。こちらは2階席から見たところ。後ろが円形になっており、どの席からもステージがよく見えるように設計されいます。
オーケストラは舞台手前の一段低い部分にあります。15分くらい前から音合わせが行われていました。
David H.Koch Theater(ディヴィッド H コーク 劇場)
リンカーン・センター内にあるバレエやモダンダンスなどの専用劇場。1964年、ニューヨーク万国博覧会ために建設され、開館しました。ニューヨーク・シティ・バレエの本拠地であり、ニューヨーク・シティ・オペラの本拠地でもあった。収容人数は、2,586人。住所20 Lincoln Center Plaza, New York最寄駅1「66 St – Lincoln Center駅」
4、NYシティバレエのくるみ割り人形とは
NYシティバレエのくるみ割り人形は、ジョージ・バランシン(George Balanchine)の演出で踊ります。
ロシアのサンクトペテルブルクで生まれたバランシンは、バレエ団を作りバレエダンサーとして活躍するも膝関節の故障により踊り手を断念。バレエマスター兼振付家の活動をはじめ、その後渡米し、アメリカン・バレエ学校とその卒業生からなるバレエ団を発足させました。これが現在のニューヨークシティバレエ団であり、1954年に「くるみ割り人形」を初演。クリスマスにこの作品を取り上げることがアメリカでの定番となりました。くるみ割り人形は他にもピーター・ライト版など、いくつかの振り付けがありますが、このバランシンのくるみ割り人形は、なんと門外不出!NYでしか観ることができないのです。冬にNYを訪れるなら、これは必ず観たいですね!
5、どんな舞台なの?
残念ながら公演自体は撮影禁止なのですが、NYシティバレエのHPで一部のシーンが公開されています。
▼NYシティバレエのHP
NYシティバレエのHP
1幕
1幕はパーティの始まる前から子どもたちがワクワクしている様子が描かれ、見ているこちらも何が始まるのだろうという期待感が高まります。次々と客が訪れ、ダンスをしたり、子ども達がプレゼントを貰ったり、見どころが沢山!
皆、ドレスなどの衣装を着ているので、バレエというより物語のように観ることができます。
夜、マリーが寝ていると、真夜中の12時の時計が鳴ります。クリスマスツリーが点滅し始めたかと思うとツリーがぐんぐんと大きくなって部屋の中が一転します。マリーが小さくなったことが舞台装置によってドラマティックに演出されます。
後半にねずみの大群が出てきた時には、ねずみの丸いフォルムとそのユーモラスな仕草に会場から笑いが起こります。少しねずみの加勢をしてしまいたくなるほど可愛らしいねずみ達です。
そしてくるみ割り人形が王子さまに変身。寝巻きのマリーの手を取り、お菓子の国へと誘います。
すると舞台は雪の森に。次々と雪の精たちが現れ、出迎えの雪のダンスを踊ります。王子とマリーは雪の中を歩いて森へ歩き出すのでした。
1幕の印象は、踊り子たちは洋服を着用しており舞台装置も様々に変わるなど、見どころが満載なので、約45分があっという間に終わってしまったという感覚でした。休憩の照明がついた時にはまるで夢から目が覚めたようでした。
2幕
2幕はThe バレエ!という演出です。
お菓子の国についた王子とマリーは金平糖の精に出迎えられ、様々な国のお菓子の踊りを楽しみます。
スペインのボレロ(チョコレート)、アラビアのコモード(コーヒー)、中国(お茶)、ロシアのトレパック(キャンディーケーン)、マジパン、マザー・ジンジャー、露のしずくと花の精のワルツと次から次へと踊りが披露されます。
チョコレートは衣装もチョコレート色。キャンディーはストライプのポップな衣装、マジパンはチュチュがきゅっと上がっていてとても可愛いのです。衣装・踊り・音楽がベストマッチで、本当に夢を見ているよう。
最後の見せ場は、金平糖の精とカバリエールのパ・ド・ドゥです。プリマがアラベスクをしたままの状態で、リフトをするなど、バレエの美しさを惜しげも無く見せてくれます。会場はため息と拍手で大いに盛り上がっていました。
すべての演目が終わり、マリーと王子がソリにのって、天へ昇っていくのをお菓子の精たちが見送るシーンで幕を下ろしました。
夢のような2時間で、感動して泣いてしまいました。初心者でもバレエファンになること請け合いです。女の子でこのバレエをみてきゅーっとならない人はいないでしょう。最高の時間でした。
主人公のマリーを踊っていた女の子はなんと9歳!NYのバレエ界の底力を感じます。
バランシンはチャイコフスキーの子どもに対する思いに共感し、くるみ割り人形のバレエでも子どもを起用しています。
「チャイコフスキーは生涯にわたって子供のままでいました。彼は物事を子供のように感じていたのです。人間はその発達の最高の段階で子供に近づくというドイツ人の考え方が彼は好きでした。チャイコフスキーは子供自身を愛したのであり、未来の大人として彼らを愛したのではありませんでした。子供たちには最大限の可能性が秘められています。こうした可能性はしばしば伸ばされずに失われてしまいますが。私たちの劇場のくるみ割り人形は幼い子供たちと老いた子供たちのためのものなのです。なぜならもしある大人が良い人なら、その人は心の中ではいまだに子供であるからです。あらゆる人の中で最良の最も重要な部分とは子供時代から残っているものです。」
「チャイコフスキーわが愛」バランシン/ヴォルコフ著 斉藤毅=訳 新書館より
6、お土産
夢から覚めても帰るのが惜しいほどですが、お土産をチェック。エントランスではくるみ割り人形のグッズと、NYシティバレエのグッズを販売しています。
公演のパンフレットもありました。
来年も絶対に観よう!と誓うプレ華でした。